認知症には、主として次の3つの型があります:
●アルツハイマー型認知症
●多発梗塞性認知症(脳血管性認知症)
●上記のふたつの混合型
これら3つの型のなかで、アルツハイマー型認知症の原因は現在のところ、明らかではないというのが実状です。ただし、アルツハイマー型認知症の場合、次のような特徴をもっていることがわかっています。
●脳の神経細胞が激減するため、大脳全体が萎縮します。さらに詳しく観察すると、神経細胞に独特の変化がみられ、これを「アルツハイマー原線維変化」と呼んでいます。
●神経細胞の外側に、アミロイドと呼ばれるたんぱく質が沈着しています。これを、「老人斑」といいます。
●「原線維変化」と「老人斑」が最も多く認められるのは、大脳皮質においてです。
その他、染色体の異常が関係しているのではないか、という説もあります。というのも、ダウン症の人が成人に達したときの脳の状態が、アルツハイマー型認知症の場合と酷似しているからです。
アルツハイマー型以ではない、認知症の型、多発梗塞性認知症(脳血管性認知症)の場合、動脈硬化や高血圧に基づく脳梗塞の多発が重要な原因のひとつになります。多発梗塞性認知症(脳血管性認知症)をもつ患者さんの脳を見ると、ほとんどの症例で脳に小さな傷がたくさんあることがわかります。これが梗塞巣です。また、慢性硬膜下血腫、正常圧水頭症、脳腫瘍などでも、二次的に認知症症状を起こすことがあります。
アルツハイマー型認知症の原因は現在のところ明確ではありません。あくまで、ひとつの説ですが、「アルミニウム原因説」と呼ばれるものがあります。
アルミニウムイオンの摂取がアルツハイマー型認知症の原因のひとつではないか、という説です。しかし現在は、この説は一般的に認められていません。日本アルミニウム協会では、腎臓機能障害との関わりを示しています。
スクラルファートといった、アルミニウムを含んだ医薬品には、腎臓の働きが悪いと中毒になる恐れがあるという趣旨の注意事項が示されています。
確かに、アルツハイマー型認知症の患者さんの脳には、健常者の数十倍の濃度で、アルミニウムイオンが検出されています。ただし、それがアルツハイマーが原因で起こる症状なのかどうかは不明です。
従来は、血液脳関門によってアルミニウムイオンは脳に達しないという見方もありましたが、現在では、血液脳関門を突破することが明らかになっています。
アルミニウムイオンは何に多く含まれるかというと、植物では、オオイタドリやカラマツの新芽などです。硫酸アルミニウムとして土壌の10倍~20倍含まれています。また、タマネギにも硫酸アルミニウムとして多く含まれていますから、生体内に自然に取り込まれます。
本来なら水に溶出しないアルミニウムイオンが、粘土鉱物から溶出しています。これはバーク堆肥や家畜堆肥の再利用によって、カリウムやナトリウムの過剰からくる浸透圧で溶出したのです。
アルミニウムとアルツハイマー型認知症の発症との因果関係は、完全には否定できません。しかし、日常生活で摂取する量で、はたして影響があるのかどうか、その危険性を過度に心配する必要はないでしょう。ただし、欠乏症もないと考えられますから、あえて摂取する必要もないでしょう。