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危険因子と予防

アルツハイマー型認知症の症状については研究が進めつつありますが、そもそもなぜ
この疾患が発症するのか、その原因は現在のところ明らかではありません。ただし、
発症の危険因子として幾つかあがっています:

・年齢
・家族歴
・ApoEe4などの遺伝子型
・高血圧
・糖尿病
・喫煙
・高脂血症
・ある種の生活習慣、など。

たとえば、アルツハイマー病を発症する危険性は、糖尿病をもつ患者さんでは1.3~1.
8倍になるといわれます。特に、ある種の遺伝子型をもつ糖尿病の患者さんの場合
は、5.5倍にまで増加すると報告されています。

その他、現在最も関心が高まっているのが、食習慣、運動習慣、知的生活習慣です。

●食習慣
アルツハイマー型認知症の発症を抑制することがわかっている食物は以下のもので
す:
・魚(EPA・DHAなどの脂肪酸)の摂取
・野菜果物(ビタミンE・ビタミンC・βカロテンなど)の摂取
・赤ワイン(ポリフェノール)の摂取
たとえば、1 日に1 回以上魚を食べている人の場合と比べて、ほとんど魚を食べない
人は、アルツハイマー型認知症の発症の危険が約5 倍であるというデータがありま
す。

●運動習慣
運動、特に、有酸素運動によって高血圧やコレステロールのレベルが下がり、脳血流
量が増すことで、アルツハイマー型認知症の発症の危険が下がります。普通の歩行速
度をこえる運動強度で週3回以上運動すると、全く運動しない場合と比べて、発症の
危険が半分になるという研究結果もでています。

●知的生活習慣
・テレビ・ラジオの視聴
・トランプ・チェスなどのゲーム
・文章を読む
・楽器の演奏
・ダンスなど。
これらの活動をよく行う人は、発症の危険が減少するといわれます。


アルツハイマー型認知症は、その症状もさまざまで原因が明確でないことから、今般
的な治療法は、現在のところないのが現状です。しかし、予防法として幾つかの候補
があがっています。ただし、逆のデータが存在したり、アルツハイマー型認知症以外
の疾患のリスクが上昇することもあり、以下の方法がすべての人に勧められるわけで
はありません。

1.ビタミン類摂取
・ビタミンE
しかし、ビタミンEは全死亡率を増加させるとのデータもあります。

・ビタミンB6、ビタミンB12
・葉酸

2.食習慣
・低脂肪食、魚類の摂取
・十分な果実・野菜類の摂取
・地中海的食習慣

3.ライフスタイル・活動度
・適度な身体的・精神的活動

その他、喫煙および、受動喫煙も避けることが、アルツハイマー型認知症の発症を抑
制するといわれます。

4.薬物
・降圧剤
・コリンエステラーゼ阻害剤
・NSAID
*ただし、NSAIDは、心血管イベントの危険性を増す可能性があるため、推奨されま
せん。

・スタチン類
*スタチンまたはHMG-CoA還元酵素阻害薬というのは、HMG-CoA還元酵素の働きを阻害
します。そうすることで、血液中のコレステロール値を低下させる薬物の総称です。
高コレステロール血症の治療薬として現在、世界各国で使用されています。また、近
年の大規模な臨床試験により、スタチンは高脂血症患者での心筋梗塞や、脳血管障害
の発症の危険性を低下させる効果があることが明らかにされています。

ただし、先述のとおり、これらには逆のデータもあることから完全に信頼できるもの
ではありません。

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