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認知症の治療

アルツハイマー型認知症をはじめとする認知症の中核症状は、知的機能の障害です。知的機能障害を改善させることは困難であるのが実状です。しかし、脳の老化が少しでも遅くなることを期待して、脳代謝改善薬を長期的に投与する治療法がとられます。また、これに併用して脳循環改善薬や抗血小板薬を用い、脳血管障害がこれ以上すすまないようにします。

また、認知症には知的機能障害以外にも、意欲減退やうつ状態、行動異常などの認知症に伴っておこる症状があります。これらの症状を改善するために、抗うつ薬、抗不安薬、向精神薬を用いることもあります。

アルツハイマー型認知症をはじめとする認知症の知的機能を改善することはできなくても、副次的な症状の一部を改善することで、人間らしい生き方ができるようになります。これはご本人だけでなく、ご家族の方々にとっても必要なことであり、意義のあることです。

アルツハイマー型認知症は、いつ始まったのかわからないままに発症し、徐々に進行していきます。一方、脳血管性認知症は、アルツハイマー型に比べると急速に発症するのが特徴です。特に脳出血や脳梗塞などの、脳血管障害の発作をきっかけとして症状が現れることが多いように思われます。

アルツハイマー型も脳血管性認知症の場合も、進行性です。したがって早期発見につとめ、進行を防止することが重要な課題となります。そのためにはご家族の方々をはじめ、周囲の協力が非常に大切になります。

アルツハイマー型認知症をはじめとする、老人期の認知症をもつご老人をかかえたご家庭では、看護に大変な労力を要します。しかし看護のよしあしがご本人の予後に大きく関係してきますので、できるだけのことはしてさしあげたいと思いますし、配慮することは大切です。ご本人が生きがいをもって行き続けられる生活環境を整えてさせあげたいものです。認知症の症状が進行すると、寝たきりになったり、失禁を起こしたりします。身辺を清潔に保つよう配慮するとともに、知的な刺激を与えることは効果的なリハビリになります。ご家族や地域の人がリハビリテーションの正しい知識をもち、実行していくことが大切になります。

リハビリテーションは、病気の予防、治療とならんで第3の医学といわれるほど重要なものです。老人人口の増加により、リハビリを必要とする人の数は急増しています。そもそもリハビリテーションの目的は、障害を可能な限り克服して、自立と社会復帰を果たすことにあります。単に機能回復訓練や社会復帰のみをさすのではなく、障害をもったために人間らしく生きることを妨げられている人が、再び人間らしく生きる権利を回復することです。リハビリのためにはその目的や正しいやりかたを理解し、こつこつと継続することが大切です。またご本人の意欲と並び、ご家族や地域社会全体で、心身両面からご本人を助け、協力して行くことが大切になります。

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