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認知症の診断と長谷川式簡易知能評価スケール

成人に達してから、知能の低下が生じる状態を認知症といいます。認知症の診断の第1の根拠となる症状は、生活に支障をきたすほどの知的能力の低下があるかどうかです。時間、場所、人の見当がつかないことを「見当識障害」といいます。これらの見当識障害や、記憶力、記銘力を評価するのにしばしば用いられるのが、長谷川式簡易知能評価スケールです。これは医師でなくても実行可能な簡単なテストです。しかしこの評価スケールは、あくまで簡易検査です。行動の異常に関するテストは含まれていません。したがって明らかに認知症と思われるケースでありながら、正常と判断されてしまうこともあります。
そのため、実際の診断にあたっては、家族から、ご本人の異常な行動、幻覚、妄想の有無などを詳しく聞き、診断をより正確に、確実なものにします。

妄想には、脳血管性認知症とアルツハイマー型認知症があります。両者を区別する特徴としては、脳血管性認知症の場合は、アルツハイマー型と比較して、認知症症状があっても人格は比較的保たれている、ということがあります。

診断には、さらにCTスキャンやMRI、脳波、脳の血流検査(SPECT-PET)などが、補助診断として使われ、これらからも、アルツハイマー型か脳血管性型かの判断がある程度つきます。また、認知症は、慢性硬膜下血腫、正常圧水頭症、脳腫瘍などからの二次的症状として生じることもありますが、CTスキャンは、これらとの鑑別にも有用です。

アルツハイマー型認知症をはじめとする認知症の診断において、記憶力、記銘力、見当識障害の症状を判断するのにしばしば用いられるのが、長谷川式簡易知能評価スケールです。

改定長谷川式簡易知能評価スケール
質問 → 評価法と点数

1.お歳はおいくつですか?
→正解は1点(2年までの誤差は正解)。

2.きょうは、何年の何月何日、何曜日ですか?
→年、月、日、曜日の各1つ正解で1点。すべて正解の場合は4点。

3.わたしたちが今いるところはどこですか?
→自発的に答えられれば2点、5秒おいて家、病院施設の中から正しい選択ができれば1点。

4.これからいう3つの言葉をいってみてください。
①a桜、b猫、c電車
②a梅、b犬、c自動車
→①と②の系列のうちいずれか1つを採用して○をつけておきます。a、b、cのうち1つ正解で1点、2つで2点、すべて正解で3点。

5.100から7を順番に引いてください。
①100-7=93、②93-7=86
→①が正解で1点、①と②が正解で2点(①が不正解の場合は、打ち切る)。

6.わたしがこれからいう数字を逆からいってください。
①6、8、2または2、8、6
②3、5、2、9または9、2、5、3
→①が正解で1点、①と②が正解で2点(①の逆唱に失敗したら打ち切る)。

7.先ほど覚えてもらった言葉(4の質問)をもう一度いってみてください。
→自発的に回答があれば、a、b、c各2点、回答がない場合、ヒント(植物、動物、乗り物)を与え、正解すれば各1点。

8.これから5つの品物をみせます。それを隠しますのでなにがあったかいってください。
→時計、鍵、たばこ、ペン、硬貨など必ず相互に無関係なものをみせて答えてもらう。1品各1点、すべて正解の場合は5点。

9.知っている野菜の名前をできるだけ多くいってください。
→答えた野菜の名前を記入し、0~5つ正解で0点、6つで1点、7つで2点、8つで3点、9つで4点、10で5点(途中で回答に詰まり、約10秒まっても答えられない場合にはそこでうち切る)

1~9の質問で不正解の場合は、0点。
評価法:30点(満点)は正常、20点以下は認知症の疑いあり。

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